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論理的な説明のコツ!マッキンゼーで学んだ、説明力を上げる2つのテクニック【面接・小論文対策】

更新日:2025.06.23

こんにちは! 国語特化のオンライン個別指導塾「ヨミサマ。」編集部です!

「入試が近づいてきて、面接や小論文対策を始めたものの、なかなか成長が感じられない…」「『論理的な説明をするべき』といわれるけど、どうしたら論理的に話せるかわからない…」このように悩む人は多いのではないでしょうか?

今回は面接や小論文で役に立つ、物事を上手に説明するためのテクニックを紹介していきます!

「マッキンゼー流」って、何がすごいのか?

まずマッキンゼーとは、大企業の社長や役員クラスの方々に対して経営戦略や改善策などを提案する経営コンサルティングファームです。プレゼンや資料によって目上の顧客を説得する機会がとても多いため、相手に分かりやすく伝える力や論理的な思考法を身につける必要があります。

そのため、マッキンゼーでは新人の段階から説明のしかたやプレゼン方法などを重点的に学びます。こうした環境での論理的思考のトレーニング経験が豊富なこともあり、「マッキンゼー流○○」という書籍が書店に多く並んでいるのだと思います。

結果として、社会人として必要な説明力を飛躍的に高められるんです!ここでは、ヨミサマ。代表の神田がマッキンゼーでの勤務を経て習得した説明のコツを大公開します!

説明力と面接、小論文の力の関係

説明力がつくと、小論文や面接でも役に立ちます。

例えば、受験の面接では必ずといっていいほど志望動機を聞かれますよね。

志望理由を伝えるとき、単に「サッカー部が強いから」「進学実績が良いから」と説明するのと、

「自分は部活にも勉強にも全力で取り組みたい。サッカー部に実績があり、さらに部活だけでなく勉強にも力を入れる貴校の環境が魅力的だから」という説明では、どちらが説得力があるでしょうか?

主張は同じはずなのに、二つの主張を結び付け、順序立てて説明している後者の方が、その学校が良いと思っている理由を、説得力をもって伝えることができています。試験官からの印象も良くなりそうですよね。

ピラミッド構造

まず「ピラミッド構造」という説明法を紹介します。

そもそもピラミッド構造とは何でしょうか?

例えば、牛丼が好きなので、牛丼の良さを上手く人に伝えておすすめしたい、という状況を考えてみましょう。

牛丼

下の図のように、まず伝えたい主張は「牛丼を食べるべき」なのでこれをピラミッド構造の頂点におきます。そこから理由を段階的に分けていきます。

まず牛丼のキャッチフレーズである、うまい、安い、早いの三つに分けられます。ここからさらに細かい理由まで深掘りしていきます。例えば、「うまい」なら肉と米の組み合わせに牛丼のつゆが合わさったのが「うまさ」とといえるので最終的に図のように理由を展開出来ます。

この図から、伝わりやすい「牛丼を食べるべき理由」を考えてみましょう。



まず大切なことは、結論を最初に述べることです。

この例にあてはめると、「牛丼を食べるべきです」と、最初に言ってしまうのです。

なぜ結論を最初に言うべきなのでしょうか?

結論を初めに伝えると、聞いている側は「このあとに、牛丼を食べるべき理由を話すんだろうな」など、大まかな話の内容が予測できます。

逆に、理由から話すとどうでしょうか?

「安くて早く出てくる料理って良いですよね」と最初に言われても、聞く側は、何について話しているのかがはっきりわかりません。

回転ずし、うどんなどいろいろなものを思い浮かべてしまいます。

結論から話すことで、理由から話すよりもスムーズに理解ができ、その結果として説明が上手く伝わることに繋がります。

次に、結論に繋がる一番重要な理由を決めます。

今回は「コスパがいい」にしておきましょう。そのコスパがいいということを段階的に分けて伝えていきます。

コスパがいい、ということは安いのに美味い、という面や、早く提供されるのでタイムパフォーマンスも良い、ということが挙げられます。

このように「コスパがいい」ことを掘り下げた上で、ようやく具体的なそれぞれのことについて事実に目を向けてもらうのです。

まず結論を述べ、次に結論につながるもっとも重視する理由を述べ、それからその重要な理由を細かく掘り下げていく。この方法に従って説明することを意識すると、自ずと分かりやすく伝える能力が鍛えられます。

さらに高度な話をすると、この構造はわかりやすさを重視しているゆえに、シンプルすぎると感じることもあるかもしれません。意外な感じや強い印象をもたせたいときは、多少の順序の入れ替えなどの工夫をすることもあります。

しかし、ピラミッド構造は維持しないとそもそも伝わらなくなってしまいます。あくまでも結論ファーストのピラミッド構造を念頭に置いて物事を説明するようにしてみましょう!

掛け算と足し算の考え方

次に、「掛け算と足し算で考える」という方法を紹介します。

説明の根拠として、「掛け算」「足し算」を使うという方法です。

「掛け算と足し算で考える」話し方といわれても具体的にイメージできないと思うので、次のグラフを例に考えてみましょう。

訪日外国人と出国日本人数
出典:朝日新聞

このグラフを見ると、訪日外国人の数が、2005年から2015年までの10年間で約4倍に増えています。増加の理由として何が考えられるか、他の人に説明するというケースを考えてみましょう。

実はこのグラフ、ヨミサマ。の授業でも使うことがあります。生徒に「なんでだと思う?」と聞くと、「日本食がブームになったから」、「アニメの普及で日本文化の魅力が世界に伝わったから」、という答えが多いです。

でもただそれらの理由だけで、4倍も増えるでしょうか。

ここではまず、掛け算の考え方を使います。

大事なのは、最初に訪日外国人旅行者数がどういった数字なのかを考えることです。

訪日外国人旅行者数とは、世界の海外旅行者数に日本に来る割合を掛けた数字です。

訪日外国人旅行者数 = 世界の海外旅行者数 × 日本に来る割合

つまりは、世界の海外旅行者数か、日本に来る割合か、その両方が大きくなると、訪日外国人旅行者数が増えるというわけです。

訪日外国人旅行者数が増えるためには、世界の海外旅行者数と日本に来る割合、どちらの影響がより大きいと思いますか?

世界の海外旅行者数の影響の方が大きそうですね。掛け算の考え方はこのように、目的とする数字に何の寄与が最も大きいのかを考えますよ

では、それぞれの要素について考えてみましょう。

世界の海外旅行者数についてですが、実際のところ、この時期にすごく増えています。

リーマンショックが終わり、世界中の人が旅行にいけるような余裕が出てきたことや、格安航空への規制が緩和されたことなどの後押しによって、1.5倍程度には増えています。

下の図で同様のことが確認できます。

国連世界観光機関(UNWTO)による調査結果

また、日本に来る割合について足し算で考えてみます。

世界の海外旅行者数は

  • アジアに旅行する人
  • ヨーロッパに旅行する人
  • アメリカに旅行する人

等、各旅行先の足し算で表すことが出来ます。

日本はアジアの国ですから、日本に来る割合が高くなったということは、アジアを旅行する人が増えていると考えられます。

海外旅行とはいっても、やはり近隣の国に旅行することが多いものです。

時代背景として、この時期は中国の経済成長がめざましく国民が豊かになっていました。それによって、旅行に行く中国人がすごく増えました。その影響を受けてアジアや日本に旅行する人の割合が増えたのです。

先ほどの図を見てもらうとわかるのですが、確かにアジアの旅行者数は2005付近と2015年付近で倍以上違うことが見て取れます。

まとめると、訪日外国人の数が、2005年から2015年までの10年間で約4倍に増えた理由は、このように説明できます。

  • そもそも、世界中で旅行をする人が約1.5倍に増えた
  • また旅行先として、アジアに旅行する人の割合が増え、日本に来る人の割合が約3倍に増えた(正確なデータはないのですが、仮に3倍とします)
  • 中国が急激に経済成長したため、中国に近い旅行先である日本に来る中国人の数が増えたことが背景にある

このように、複雑な事象も「掛け算」の考え方を使って要素分解し、それぞれの要素がどの程度変化したのかを「足して」説明することで、より分かりやすく説得力のある説明になります。全体をとらえて網羅的に考えていることもアピールできます。

さらに上手に説明するポイントとして、ここで大まかにでも具体的な数字を使った説明が出来ると、説得力が増します!

おわりに

面接や小論文では、説明する能力が問われる場面が多いです。今回は実際にマッキンゼーで学んできた説明のコツを紹介しましたが、いかがでしたか?

  • 結論を最初に述べて、次に重要な理由から説明していくピラミッド構造
  • 要素をA×Bという形に分解し、それぞれの要素がどう変化したのかを足していくという、「掛け算と足し算」の考え方

この2つの考え方・説明の仕方を使って説明力を鍛えていきましょう。そうすれば、論理的思考力や全体を俯瞰する力のアピールもできるはずです!

ちなみにヨミサマ。では、今回出てきたグラフを使うような、「読む力」だけではなく「伝える力」「論理的に考える力」も養うことができる授業をしています。

無料で体験授業を受けることができるので、ぜひ一度受けてみてください!

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この記事を編集した人

ヨミサマ。事務局

東大生がつくる国語特化の個別指導塾ヨミサマ。編集部です。ヨミサマ。講師の東大受験や指導の経験をもとに、国語や受験にまつわるお役立ち情報を発信していきます!