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国語力アップのカギ!感情表現を鍛えて国語力を劇的に上げるコツ
目次
はじめに
「表現力が足りない……!」と感じたことはありませんか?
読書感想文や記述問題、小論文などを書きながら、自分の表現力の乏しさを痛感したことのある人は少なくないでしょう。
実は、表現の中でも特に「感情表現」を鍛えることで、表現力全体を大きく伸ばすことができます。本記事では、感情表現を磨いて表現力を向上させる具体的な方法を紹介します。
なお、表現力を支える基本的な力として語彙力があります。語彙力についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてください!
なぜ表現力が求められるのか
もし単に情報だけを伝えたいのであれば、事実を簡潔に述べるだけでも十分です。しかし、読書感想文や記述問題、小論文などでは思いや考えを的確かつ豊かに伝える表現力が求められます。さらに、学習指導要領でも「思考力・判断力・表現力等の育成」が定められているため、教育現場でも大きなテーマになっています。
では、なぜそこまで表現力が重要視されるのでしょうか。次の例を見比べてみてください。
映画を観た後の感想
- 面白かった
- 面白くて目が離せなかった。あっという間に終わっていて、時間の経過の速さに驚いた。こんな体験は初めてだ。
どちらが「面白さ」をより強く伝えていると感じるでしょうか。多くの人は②の文章を読んだときの方が、「どれほど面白かったのか」「どんなふうに面白かったのか」を具体的にイメージできると思います。これが表現力の力なのです。
表現力とは
①「面白い」だけでは伝わらない理由
1. 面白さにはレンジがある
「面白い」という感情には幅があります。一口に「面白い」といっても、クスッと笑う程度から、笑いが止まらないほどの状態まで、さまざまですよね。そのため、ただ「面白い」とだけ書いても、その幅の中のどの程度の面白さなのかは分かりづらいのです。
2. 「面白い」の意味は幅広い
日本語の「面白い」は複数の意味を内包しています。例えば、英語の “funny”(可笑しい)や “interesting”(興味深い)も、日本語では同じ「面白い」で表せます。また古語の「面白し」には「風流だ」「趣深い」といった意味も含まれます。そのため、単に「面白い」と言っただけでは、どの意味で面白いのかが適切に伝わりません。


② 表現力=より的確に表現する力
上の例に戻ると、①の「面白かった」ではその面白さの程度や意味があいまいですが、②の「面白くて目が離せなかった。あっという間に〜」という表現では、どれほど/どのように面白かったのかが具体的に伝わります。つまり、より的確に感覚を表現できているのです。
このように、表現力とは自分の気持ちや感情を、より的確に伝える力です。
豊かな表現力があると、自分の内面をしっかり言葉にできるようになり、相手にイメージを鮮明に届けられるようになります。
表現力を身につける方法
ここまでで、
- 表現力とはなにか
- なぜ表現力が求められるのか
を確認してきました。ここからは、実際に表現力を高めるための方法を紹介します。まずは基礎編から始め、次に応用編として感情表現のコツを見ていきましょう。
基礎編:自分の感覚を自分の言葉で表現する
1. 自分の感覚や気持ちを細分化して捉える
的確に表現するには、表現したい対象を的確に捉える必要があります。そのための基本的なアプローチの一つが自分に質問することです。
「群盲象を評す」という言葉をご存じでしょうか。物事の一側面だけを見てすべてを理解した気になってしまうことのたとえです。下の図のように、一部分しか把握できていなければ、触っているものの正体は象でも、それを縄だと言ったり蛇だと言ったりしてしまいます。

画像の出典:https://ameblo.jp/erinaoki333/entry-12400522351.html
自分の思いや考えについても同じで、一部しか捉えていなければ正確に表現することが難しくなります。まずは、「自分が何をどんなふうに感じているか」を細かく掘り下げてみることが大切です。
そして、細かく掘り下げるために有効なのが自分に問いを投げかけるという方法です。5W1Hや身体の反応について自分に質問しながら、自分の認識を深掘りしてみましょう。
- 5W1Hを使って深掘りする
- いつそう感じたのか?
- なぜそう思ったのか?
- 身体の反応に意識を向ける
- 手足は熱い?冷たい?
- 鼓動は速い?遅い?
2. 自分の言葉で表現する
自分の言葉で表現するということも大事です。自分の思いや考えを表すのに最適な表現は自分の内側にこそあるからです。そのために以下の二つのことをしてみるとよいでしょう。
- 他人の感想を見る前に、自分の感想を書き出しておく
他人の表現を借りるのではなく、自分が感じたことを自分の言葉で書き出してみます。
たとえば、映画や本を鑑賞したあとにSNSなどをチェックする前に、自分の頭のなかにある言葉で感想をまとめると良いでしょう。 - 言葉になりにくい感覚も言語化してみる
音や匂いなど、抽象的な感覚をあえて言葉にしてみます。
例:- 「鋭い音が耳を突き刺すようだった」
- 「花の香りが包み込むような安心感をもたらしてくれた」
応用編:感情表現のコツを学ぶ
ここからは、感情をより豊かに伝えるための具体的なテクニックを紹介します。
- 身体的な要素を加える
感情表現に身体的描写を加えると、臨場感が増します。
- 驚き:「心臓が飛び出しそうなくらい驚いた」
- 緊張:「手に汗握るほどの緊張感」「冷や汗が出るほどのプレッシャー」
- 怒り:「怒りで身体が震える」「こぶしを握りしめる」
比喩やたとえを使う
抽象的な感情を比喩表現で分かりやすくする方法です。
- 悲しみ:「心にぽっかり穴が空いたような気持ち」
- 喜び:「天まで舞い上がるような気分」
- 驚き:「雷に打たれたような衝撃」
五感を取り入れる
五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を活用して表現を立体的にします。
- 視覚:「目の前が真っ暗になるような喪失感」
- 聴覚:「緊張で鼓動が耳元に響くようだった」
- 触覚:「冷たい汗が背中を伝っていた」
類義語の知識を増やす
「面白い」「悲しい」「怖い」など、頻出単語の言い換え表現を覚えると表現に幅が出ます。
- 面白い:「魅了される」「引き込まれる」「目が離せない」
- 悲しい:「切ない」「胸が締めつけられる」「涙がこぼれそうになる」
- 怖い:「背筋が凍る」「鳥肌が立つ」「ぞくりとする」
実際に書いてみる
語彙やテクニックを知っているだけでは定着しません。日記や感想文を書くとき、意識的に具体的な表現や比喩を使ってみることを習慣づけましょう。
まとめ
表現力を高めたいとき、まずは感情表現を磨くことが効果的です。自分の感覚を細分化して正確に捉え、自分の言葉で表現しようとする姿勢が大切になります。そして、身体描写や比喩、五感表現などのテクニックを組み合わせれば、さらに豊かな表現が可能になります。
これらを日常的に練習すれば、読書感想文や小論文、記述問題などでも大いに役立つでしょう。感情表現を磨くことは、国語力アップへの近道です。ぜひ今日から実践してみてください!
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この記事を編集した人
東大生がつくる国語特化の個別指導塾ヨミサマ。編集部です。国語のプロフェッショナルとして、国語が苦手な生徒から東大受験対策まで述べ二千人以上を指導してきた経験を記事にしてお伝えします。完全独学で東京大学文科Ⅰ類に合格し、「成績アップは国語で決まる!」著者の神田直樹が監修しています。

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