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【慶應大学法学部の小論文で合格点をとるための必勝戦略】

更新日:2025.11.27

東京都港区に本部を置く、日本を代表する私立の総合大学、慶應大学。

早稲田大学と共に「私学の雄」と並び称され、私立大学の最高峰に位置付けられることが多い、言わずと知れた名門大学です。

本記事では、そんな慶應大学の中でも人気の高い法学部の入試の中でも、

対策の難しい小論文について、

  • 問題形式
  • 合格点
  • 問題傾向
  • 実際に出題された問題
  • 合格までの、具体的な対策方法

などを徹底解説をしていきます。

慶應義塾大学法学部の小論文で合格点をとるための必勝戦略を、一緒に立てていきましょう🔥

1.慶應大学法学部の入試科目・合格点

慶應大学の入試科目の中でも、小論文は対策の難しい科目です。

その対策を立てるために、まず慶應大学法学部の問題形式を分析しましょう。

慶應大学法学部一般入試では「大学入学共通テスト」は利用されず、

学部独自の試験」のみで合否が判断されます。

具体的には、

  • 英語(200点満点)
  • 世界史または日本史(150点満点)
  • 小論文(100点満点)

の3つの科目が存在します。

それではこの一般選抜の合格点はどのようになっているのでしょうか。

2025年度の得点状況を見てみると、各科目ごとの合格者平均点は開示されていないものの、

合格者最低点は開示されていました。

それを見ると、合格最低点は

  • 法律学科:253/450点(56.2%)
  • 政治学科:251/450点(55.8%)

であることが分かりました。

55~60%が合格のボーダーラインになることが分かりますね。

また、2025年度の小論文の受験者平均点は約47点でした。

https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/docs/tokuten2025.pdf

合格者平均はこれよりも少し高くなることが予想されるため、小論文においてもやはり55~60%の得点を目標にしていきましょう。

またヨミサマ。では小論文で必要な”説明する力”を伸ばす方法についても記事を書いています!詳しくは以下のリンクからご確認ください!

それでは以下で小論文についてさらに詳しく見ていきます。

2. 小論文の問題傾向

小論文のテーマ・問題形式は毎年ある程度共通しています。

まず、主に現代の法律の本質的な基礎知識と現代社会問題に関して、文章が与えられ、それを踏まえて小論文を書くことを求められます。

制限時間は60分で、文字数は約1000字程度です。また、文章は縦書きの原稿用紙に記述します。

そして事前準備として重要なのが、小論文でよく狙われるようなテーマは事前に押さえておくことです。

例えば、

  • 憲法に関する問題(表現の自由、プライバシー権など)
  • 国際問題(国際法、人権問題など)
  • 社会的議論を呼んでいる法律問題(死刑制度、同性婚など)

について、賛成の立場と反対の立場にどのような意見があるか、自分なりに整理しておくと良いでしょう。

過去のテーマ例は以下のようになっています。

近年のテーマ例

  • 2024 近代社会の自由と民主主義について、その意義と課題
  • 2023 中央集権と資源の囲い込み
  • 2022 道徳的観点から考える戦争と平和
  • 2021 文学と政治、個人と社会の対立
  • 2020 アジアの近代化と自己認識
  • 2019 国際人権問題

(出典:https://ukaru.me/note/exam/13283/)

また、2025年度から小論文の問題傾向が変更されました。

以前は、リード文を読み、その要約とそれに関する自身の意見を記述する形式でしたが、2025年度からは、長文読解と要約が廃止され、意見記述中心へと変更されたのです。

これは長文の理解と要約に多くの時間を取られ、その後の意見記述に十分な時間を割けないケースが多かったためと考えられます。

3.あなたは今、慶應大学法学部に受かる国語力がありますか?

早速ですが、この問題を解いてみてください。

これは2025年度に慶應大学法学部で出題された、小論文の問題です。

問題文

この問題では最初に、正義や法に関して、ローマ法大全に収録されている学説が複数紹介されています。具体的には以下です。

  • 「法とは善と衡平の術である。」(学説彙纂 第1巻 第1章 第1法文 前文)
  • 「正義とは、各人に各人の権利を分配しようとする恒常普遍の意思である。法の掟とは、以下のこと、すなわち、誠実に生きること、他人を害しないこと、各人に各人のものを分配すること、である。」(学説彙纂 第1巻 第1章 第10法文 前文)
  • 「たしかに過酷ではあるが、法律はそのように書かれている。」(学説彙纂 第40巻 第9章 第12法文 第1節)

これらを踏まえ、「法律の適用は正義の尊重と両立可能であるか」というテーマについて論述することが求められています。

そして論述にあたっては、両立可能とする立場と両立不可能とする立場それぞれから、普遍的な例を示しつつ論じることが課されています。

(慶應大学 2025年度)

それでは、この問題に一緒に挑戦してみましょう。

問題の解説

まず、小論文を解く上で大事なことは、最初に構成を練ることです。

問題文をよく読み、今回の小論文に含めなければならない要素をリストアップしましょう。

今回内容に含めないといけないのは、

  • 両立可能な立場からの議論と、その普遍的な例
  • 両立不可能な立場からの議論と、その普遍的な例

の二つです。これらについてそれぞれ、議論していきましょう。

両立可能な立場からの議論

資料を読むと、正義とは「各人に各人の権利を分配しようとする恒常普遍の意思」と書いてあります。

そして、法とは善と衡平の術であり、法の掟は「誠実に生きること、他人を害しないこと、各人に各人のものを分配すること」であると書かれています。

つまり、ローマ法の学説が示すように、法はそもそも「各人に各人の権利を分配しようとする恒常普遍の意思」である、正義を実現するための技術として構想されているのです。

正義を行うために法があるのだから例え過酷であろうと正義と法は両立する、というのが両立可能な立場の主張です。

その普遍的な根拠として、例えば、契約自由の原則は当事者の意思という正義を尊重しますが、一方の当事者がその優越的地位を濫用して不当な契約を強いた場合、裁判所は「信義誠実の原則」や「権利濫用の禁止」といった一般条項を適用し、契約の効力を修正または否定することがあります。

これは、形式的な法の適用が実質的な正義に反する事態を避けるための仕組みであり、法システム自体が正義との両立を志向していることを示しています。

両立不可能な立場についての議論

 一方、法律の適用が正義の尊重と両立不可能になる局面も存在します。

その普遍的な論拠が「悪法もまた法なり」という状況です。例えば、過去に存在した身分差別を制度化する法律や、特定の民族を不当に迫害する法律(ナチス政権下のニュルンベルク法など)は、それ自体が正義に反する内容を含んでいます。

このような「悪法」を厳格に適用することは、法の名の下に不正義を行うことに他ならず、法律の適用と正義の尊重は明らかに両立しません。

これらを指定の文字数でまとめると、解答が書けます。

いかがでしょうか。難しいと感じた方も多いのではないでしょうか?

それでは、この小論文をどのように対策すれば良いのか、その対策法を紹介します。

4. まずはこれを解こう!おすすめ過去問紹介

結論から言うと、小論文対策に最も効果的なのは

過去問演習、そしてそれを第三者に添削してもらうことです。

良質な過去問を解くことで、出題傾向を掴み、実践的な力を養いましょう!

また、実際の過去問のストックが尽きた方には、それ以外にもおすすめの過去問があります。

それは、慶應義塾大学経済学部の小論文です。

かなり形式が似ていますし、同じ大学の学部が作成しているものなので練習に最適です。

過去問の効果的な活用法

過去問をただ解くだけでは、十分な効果を得ることはできません。

過去問を効果的に活用するためには、以下の点に注意することが重要です。

⬇️過去問の効果的な活用方法について、現役東大生が徹底解説している記事はこちらです!過去問を有効活用して、効率的に合格を目指しましょう!

5. まとめ

慶應大学法学部の小論文は、本文の内容を正確に読み解き、限られた解答欄に論理的かつ簡潔にまとめる能力が求められます。

そのため、日頃から文章の重要ワードに着目し、最小限の言葉で「どんな出来事か」「その意味は何か」「どんな気持ちか」を説明する練習を徹底し、深い読解力と表現力を養うことが、慶應大学法学部合格への最短ルートとなるでしょう。

国語特化のオンライン個別指導塾「ヨミサマ。」では、慶應大学法学部の小論文のテーマに匹敵するような高度な文章を、東大生を始めとした難関大学の講師とともに学習していきます。

そんな東大生たちがつくった、国語の記述問題がメキメキ伸びるようになる、記述問題のルールブックを無料でヨミサマ。の初回体験を受けてくれた方に無料で配布中です。

慶應大学法学部の国語を攻略しましょう!

この記事を編集した人

ヨミサマ。編集部

東大生がつくる国語特化の個別指導塾ヨミサマ。編集部です。国語のプロフェッショナルとして、国語が苦手な生徒から東大受験対策まで述べ二千人以上を指導してきた経験を記事にしてお伝えします。完全独学で東京大学文科Ⅰ類に合格し、「成績アップは国語で決まる!」著者の神田直樹が監修しています。